篠目清美様

- 毎日の面会はいつも一緒にいた母とこれからの時間を共有したいから。そういう意味では私の方が母離れしていないのかもしれませんね。 -

 このような施設にお世話になるのは実は2つ目で、以前はグループホームを選択しておりました。母が当時お世話になっていたケアマネージャーさんから、「グループホームなら家庭的な雰囲気なので預けている抵抗感もないし検討しても良いのでは?」という提案があり、試してみることになりました。

 認知症が発症してからは気遣う内容にも変化があり、種類も増えていきました。たとえば火の始末なんかがそうなんですが、母の場合、心配性が高じて寒い日でも暖房を全て止めてしまうみたいな事をしてしまうのです。家に帰るとこんな寒い中で我慢していたの、と驚いてしまうほどです。

 そのような状況からグループホームにお世話になることにしたのです。その施設は家庭的で良かったのですが、規模的にこじんまりしすぎているので、少し不安がありました。家族ではない人と常に一緒というのがかえって母にはストレスになっていたようでした。平日はホームで、土日には家に連れて帰るのですが、いつも「おうちにかえりましょ、かえりましょ」という言葉に、ここは合わないんだな、と思っておりました。

 じゃあどこか他を探そうというときに、やはり家に近い方が良いだろうという事で、地域を絞ってインターネット等で探しました。ポイントは、健康管理に重きをおいて気を配ってくれるかどうかでしたね。このロイヤルハウス石岡さんはすぐそばにある大きな病院と提携していて、日中は看護師さんも常駐してくれていますし、週1回はドクターが来て下さるという事だったので、まず見学しましょうとということになりました。
雰囲気も良く明るい印象で、皆さんキビキビ働いてらっしゃったので、そこが一番の決め手となり、入居を決めました。

 家族としてはできることなら家で一緒にすごしたいと思っておりましたし、老人ホームに預けるのは抵抗がありましたが、見学した印象では、施設の職員の方があたたかく迎えてくれ、入居されている方もゆったりしていて良い雰囲気でしたので、だったら・・・と思えました。

 お部屋には物を飾ったりできるので、なるべく母の部屋、という雰囲気にしています。親子で大好きな犬の写真やぬいぐるみを置いたりしています。
スタッフの方は年齢層が幅広くそれぞれに対応してくれています。若い方は若い人なりの面白さ、ベテランの方は痒い所に手が届く対応をしてくれます。このような施設は外面的なことよりも、そこに働く人の気質と目に見えないソフトウェアーが大切ですね。

 もともとはとても活発で元気な母でしたが、ここに来てからは静かになりました。少し寂しくもありますが、穏やかになり、安定しているのだと考えるようにしています。きっと優しいスタッフの皆さんからのお世話を受けて、よい晩年なのだろうと解釈しています。